2011年9月21日水曜日

ちいさな音楽会




教会での音楽会の翌日、
遠藤さん、小笠原さん、森川さんといっしょに海沿いの道を車で走りました。
被災した、いわきの現状を少しでも感じてもらいたいと思ったからです。





アクアマリンふくしま 〜 三﨑公園 〜 永崎海岸 〜 中之作港 〜 江名
塩屋崎灯台まで行きたかったのですが、通行禁止で近くまで行くことができませんでした。
わかってはいたのですが…。

車を走らせながら、いろいろなことを話しました。

どれだけ伝えられたか、わかりません。
どれだけ感じてもらえたか、わかりません。
正直なところ、自分でも正確なことを理解できているわけではないのです。

それでも、何か少しでも感じてもらえたらと
自分でも何故だかわからない使命感のような思いで話をしました。


被災地から離れて生活している人々にとって、
時間が経つにつれ、震災の記憶や意識が薄くなっていくことは当然のことだと思います。

だからこそ、被災地に生活している私たちが発信し続けなければならないと思っています。
それが、私たちのプロジェクトの役目のひとつだと思います。




ところで、
遠藤さんは、以前にいわきに来られたことがあり、寿司屋で食事をされたことがあるということでした。
震災で、その寿司屋がどうなったのか心配されていましたが、名前しかわかりませんでした。

そこで、遠藤さんのお母さまから電話番号を教えてもらい
(電話番号の描かれた、お店の湯呑みをお持ちでした。)
電話をかけようとした、まさにその時、道沿いにその寿司屋を見つけたのです。

いわき海星高校の向かいの、“ 鮨兼 ” さんです。
津波の被害をまともに受けた場所にあるお店です。

ご店主のお話を伺うと、
地震の被害はもちろん、津波でカウンター以外は使えなくなってしまったそうです。
それでも、なんとか6月には営業を再開できたそうです。



突然の質問です。
みなさんは、寿司屋で管弦楽の生演奏を聴いたことはありますか?


何と今回、そんなとても貴重で、すばらしい経験をしてしまいました!
(いま思い出すと、少し違和感のある面白い状況でした。)

しかも観客は、ご店主と女将さん、お客さん1人と私の、たった4人だけ!
なんと贅沢なことでしょう !!










手を伸ばせば届くくらいの目の前で、すばらしい管弦楽の生演奏を4曲もしていただきました!

実は、遠藤さんは被災された方々のところに赴き、演奏を届けたいと希望されていました。
今回、予定にはありませんでしたが、
このようなかたちで実現していただくことができ、とても嬉しく思っています。


この突然の “ ちいさな音楽会 ” は、決して忘れることができない素敵なハプニングになりました。